旅行の準備をしていて「モバイルバッテリーってスーツケースに入れていいの?」と気になったことはありませんか?実は、モバイルバッテリーは預け荷物に入れてはいけないアイテムの代表格です。知らずにスーツケースに入れてしまうと、空港で没収されたり、最悪の場合フライトに遅れてしまうこともあります。

持ち込めばいいというわけでもなく、持ち込み方や持ち込める量も細かいルールが決まっています。「なんとなく持ち込んでいた」では済まないケースもあるので、出発前にしっかり確認しておきましょう。

この記事では、実際に空港で旅客対応をしていた元グランドスタッフが、モバイルバッテリーの機内持ち込みルールをわかりやすく解説します。

モバイルバッテリーは預け荷物に入れてはいけない

なぜ預け荷物NGなのか

モバイルバッテリーに発火の可能性があるため、貨物室への預け入れは絶対にできません。

電車の車内でモバイルバッテリーが煙をあげて発火し、しばらく運航停止となる事故は度々起こっているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
発火の原因は主に以下のものがあげられます。

  • 内蔵されるリチウムイオン電池の劣化
  • 強い衝撃や圧力
  • 熱や直射日光による高温環境
  • 水濡れ・湿気(結露)によるショート
  • 粗悪品

貨物室に預けた荷物の状態は飛行機の運航中には全く分かりません。万が一モバイルバッテリーが発火してしまったときに、機内であれば消火できますが、貨物室内のものを消火することはできません。最悪の場合、貨物室内での火災が広がり事故へとつながります。

海外の事例ですが、過去に貨物室に預けたモバイルバッテリーが発火したことによって飛行機の墜落事故が起きたこともあります。

万が一発火をしても消火できる状態にするために、モバイルバッテリーは貨物室への預け入れが禁止され、持ち込みのみが許可されています。

知らずに預けてしまったらどうなる?

預け荷物の保安検査でモバイルバッテリーらしきものが発見された場合は、搭乗する前に呼び出しをされ、荷物の確認をし、旅客本人の目視の上で取り出すことになり、出発時間の遅れにもつながります。

くじら

万が一検査を潜り抜けて預け荷物に紛れて貨物室で煙が出たり発火した場合は重大な事故へ繋がる可能性もあります。また、貨物室での火災、煙を計器が反応したら最寄りの空港へ緊急着陸となります。

機内持ち込みのルール

2026年4月24日からモバイルバッテリーの機内持ち込みルールが新しくなりました。
国内外でモバイルバッテリーの発煙や発火の事例が多発し、国土交通省が全ての航空会社に対して機内持ち込み数の制限や、機内での使用、取り扱いの方法の変更を義務付けました。

国土交通省webサイト

モバイルバッテリー持ち込みルール

制限個数・ワット制限

持ち込み個数:1人2個まで(160Wh以下に限る)
ワット制限:160Wh以下(160Whを超えるものは持ち込み不可)

くじら

国際航空運送協会(IATA)の規定が変更される予定があり、2027年1月以降は100Whに制限される可能性があります。

機内での保管方法・使用制限

保管方法:座席上の収納棚には収納しないこと
使用制限:機内で充電しないこと
     機内で他の電子機器への充電に使用しないこと

これはどうなの?よくある疑問

充電器・ケーブルは預け荷物に入れていい?

充電器・ケーブルは預けて問題ありません。
モバイルバッテリーは内蔵されているリチウムイオン電池に発火の可能性があるので、バッテリー本体以外は預けることができます。

モバイルバッテリー内蔵のスーツケースは?

スーツケースからバッテリーを取り外し、取り外したバッテリーを機内へ持ち込む必要があります。
最近ではスーツケースにUSBポートがついていて、そこから充電することができる「スマートラゲージ」と呼ばれるスーツケースがあります。とても便利な機能ですが、そのまま預け入れをすることはできないので、忘れずに取り外してください。

日本以外の国でもルールは同じ?

国によってルールが変わります。
モバイルバッテリーによる航空機事故が実際に発生した国はさらに厳格なルールが定められている場合もあります。

例えば韓国では、ワット制限は100Whをまでなら5個まで持ち込み可能ですが、
100Wh~160Whのものは航空会社の事前承認を受けたうえで2個までの持ち込み制限があります。

くじら

渡航先によっては日本より厳しいルールが決められており、規定を超えるものは没収される可能性もあるので、渡航前に確認しておくと安心です。

まとめ|モバイルバッテリーは必ず手荷物で持ち込もう

モバイルバッテリーは預け荷物への入れ忘れが多いアイテムの一つです。ルールを知らずに預けてしまうと、空港で呼び出されてフライトに遅れることにもなりかねません。出発前に必ず確認しておきましょう。

  • モバイルバッテリーは預け荷物に入れることは絶対にNG。必ず機内に持ち込む
  • 持ち込みは1人2個まで・160Wh以下に限る(2026年4月24日改定)
  • 機内では収納棚に入れず、充電・使用も禁止
  • スマートラゲージはバッテリーを取り外してから預ける
  • 渡航先によってルールが異なる場合がある。韓国など規制が厳しい国への渡航前は必ず確認を
くじら

2027年1月以降は100Whに制限される可能性があります。お持ちのモバイルバッテリーの容量を今のうちに確認しておくといいですよ。パッケージや本体に記載されているWh(ワットアワー)の数字をチェックしてみてください。

ABOUT ME
くじら
航空業界歴13年のくじらです。元日系国際線グランドスタッフとして、手荷物トラブル対応・航空券発券・航空関連事務まで、幅広く経験してきました。フライトの困りごと、現場目線でお答えします!