ロストバゲージ・手荷物破損で書くPIRとは?記入のポイントを解説
空港のターンテーブルで荷物が出てこなくて困ったとき、受け取った荷物が壊れていて困ったとき、必ず書くことになるのがPIRです。
PIRとは、ロストバゲージや荷物の破損が発生したときに空港で記入する手荷物事故報告書のことです。この書類をもとに、航空会社による荷物の捜索・補償手続きが正式にスタートします。保険請求の際にも必要になる大切な書類です。
この記事では、実際にPIRの対応をしていた元グランドスタッフが、PIRとは何か・何を書けばいいのかをわかりやすく解説します。
PIRとは?
PIRとは”Property Irregularity Report”の略で
日本語では”手荷物事故報告書”を指します。
どんな書類か・何のために書くのか
預け手荷物に何かしらのトラブルが発生したときに、そのトラブル(事故)の詳細を記録し、航空会社がその内容を証明する書類です。
主にロストバゲージや手荷物破損時に使用することが多く、この書類をもとにロストバゲージの捜索や手荷物破損等の保険請求の為に使用します。
どの航空会社も世界共通で使用する書類で、スタッフが書いてくれることもあれば、説明だけされて自分で記入を求められることもあります。
PIRが証明できる事故内容は以下の通りです。
- 未着手荷物(ロストバゲージ)
- 手荷物破損
- 手荷物の一部紛失
- 手荷物の盗難
ここでは、よくある未着手荷物(ロストバゲージ)と手荷物破損の際に必要になる内容を詳しく解説したいと思います。
どこに行けば発行できる?(窓口の場所)
航空会社の到着手荷物カウンターで対応してもらえます。
空港や国によって、到着後の手荷物受取エリア(Baggage Claim Area)内にカウンターが設置されている場合と、受付だけを手荷物受取エリア(Baggage Claim Area)で済ませて、到着出口外の専用の手荷物オフィスへ案内される場合があります。
小さな空港の場合は専用の窓口が設けられていない場合もありますが、その場合は到着後の手荷物受取エリア(Baggage Claim Area)にいるスタッフが発行して対応します。
PIRに書く内容|ロストバゲージの場合
ロストバゲージの場合は手荷物預かり票(Baggage Claim Tag)が必ず必要になるので、手元に用意をしてから書き始めます。
ロストバゲージについて詳しくはこちらの記事で解説しているので、よろしければこちらもチェックしてみてください。
基本情報(フライト情報/鞄の特徴 etc)
会社によってデザインが変わりますが、PIRはおおよそこのような作りになっています。

基本項目から解説していきます。
| NM | 氏名 | SUZUKI/KUJIRAKO |
| IT | イニシャル | KS |
| TN | タグナンバー | AA123456 |
| CT(TC) | 鞄の種類 | BK02HWC |
| RT | 搭乗ルート | NRT/LAX/MIA |
| FD | 搭乗便/日付 | AA001/01APR/AA002/01APR |
| BI | 鞄のブランド | SAMSONITE |
| TK | 航空券番号 | 0011234567890 |
| PA | 居住地住所 | 1-1-1 NARITA CHIBA JAPAN |
| PN | 電話番号 | +81-90-1234-xxxx |
| TA | 滞在先住所 (ホテル名可) | JW Marriott Marquis Miami |
| BW(MW) | 鞄の重さ | 1/20 |
通常旅客自身で書くのは、PA,PN,TAのみです。
ロストバゲージで特に重要な項目は、TN,CT(TC),RT,FD,ですがこの項目についてはスタッフが旅客にヒアリングをしながら記入するので、こんなことが書いてあるんだな。という程度に知っていたら十分です。
荷物の特徴と伝えるべきこと
ロストバゲージを早期解決するためにスタッフに伝えていただきたい事項があります。
- 荷物の細かな特徴
- フライトでイレギュラーなことがなかったか
- 荷物の持ち主とTNに記載された名前は一致しているか
一つずつ解説していきます。
①荷物の細かな特徴
ただ単に、黒いハードタイプのスーツケースだけでは無限に候補があります。
ベルトやネームタグはついていたか、ステッカーを貼っていたか、カバーやキーホルダーを付けていたなどなんでもかまわないので特徴を伝えてください。
付属情報として、”FF”という欄に記載されます。
②フライトでイレギュラーなことがなかったか
乗り継ぎ時間は短くなかったか、振り替えはなかったか、機材変更があったかなど何か予定と変わったことがあれば伝えてください。
③荷物の持ち主とTNに記載された名前は一致しているか
税関の申告上、実際の荷物の持ち主の名前でロストバゲージの申請をする必要がありますが、同行者と一緒に荷物を預けてタグには同行者の名前が記載されていることもあります。また、スーツケースを家族から借りていて、貸主のネームタグが付いたままになっていることもあります。
このような名前の不一致は荷物の発見が遅れる要因になるので、該当するケースであった場合は早い段階でスタッフに伝えておくことが重要です。
PIRに書く内容|破損の場合
基本情報はロストバゲージと同じ
ベースの情報は変わりません。前項のロストバゲージの基本情報をご覧ください。
破損箇所、保険について
破損個所の確認はスタッフと旅客と相互に確認をして記載をします。
ここで確認をとった破損についてのみ、航空会社側が今回の旅程で破損したものとして証明書を発行するので、ここでは見落としのないようにしっかりと確認してください。もし、この場では気が付かず自宅に帰ってから追加で発見した場合は、帰宅道中で破損したものとして取り扱われてしまいます。
また、元々の破損についてはこの場で伝えておくのが誠実かと思います。
保険の有無についても確認がありますが、クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合は携行品としてカバーされるかどうか、確実には分からない方も多いと思いますのでその場合は不明でもかまいません。
航空会社が補償してくれる破損には制限もあるので、ご自身で破損までカバーされる旅行保険や、クレジットカードへ自動付帯の保険をもっていると安心できます。
空港を離れてから破損に気が付いた場合は、こちらの記事をご覧ください。
PIRを受け取ったら
控えは必ず受け取る・ファイルナンバーを控える
PIRを提出すると、控えとしてファイルナンバー(整理番号)が記載された書類を受け取ります。このファイルナンバーがあれば、航空会社のWebサイトやアプリで荷物の捜索状況を自分で確認することができます。また、その後のやり取りでも必ず必要になるので、なくさないように大切に保管してください。
書類をもらったらまずファイルナンバーをスマホのメモに控えておくのがおすすめです。書類をなくしてしまっても番号さえわかれば問い合わせができます。
保険請求にも使えるので大切に保管する
PIRは航空会社がトラブルの発生を公式に証明する書類です。旅行保険やクレジットカード付帯保険で補償を請求する際にも必ず提出を求められます。帰国後すぐに捨てずに、保険の請求手続きが完了するまでは必ず手元に置いておきましょう。
まとめ|PIRはトラブル解決の第一歩
PIRは難しい書類ではありません。空港のスタッフが一緒に確認しながら記入を進めてくれるので、落ち着いて対応すれば大丈夫です。大切なのはこの3つです。
- ロストバゲージの場合は手荷物預かり票を手元に用意してから窓口へ
- 破損の場合はその場でスタッフと一緒に破損箇所を漏れなく確認する
- 受け取った控えとファイルナンバーは保険請求が終わるまで大切に保管する
「何を書けばいいかわからない」と焦る必要はありません。スタッフに任せる部分は任せて、聞かれたことに正直に答えるだけで大丈夫です。旅のお守りがわりに、この記事をブックマークしておいてくださいね。








