旅行から帰ってスーツケースを開けようとしたら「あれ、壊れてる…」。そんな経験はありませんか?

空港をもう出てしまったし、今さら請求できるの?と不安になる気持ち、よくわかります。でも大丈夫です。期限内に連絡すれば、帰宅後でも補償を受けられる可能性があります。

この記事では、補償対象になるケースの具体的な基準・絶対に守るべき申請期限・航空会社への効果的な連絡方法を、実際に破損・賠償対応を担当していた元グランドスタッフが解説します。

帰宅後・ホテル到着後に破損に気づいたら、まず期限を確認

預け荷物の破損の申し出は、原則荷物を受け取ったその場(空港)で行う必要があります。
自宅に帰った後では補償されないケースもあるので、到着口から出ていても、まだ空港にいる場合はスタッフに必ず申し出てください。

もう自宅に到着してしまった、帰り道に気がついた場合は以下の期限までに必ず航空会社へ申し出てください。

国際線・国内線
到着日の翌日から起算して7日以内

以下JALのHPより引用

ご到着時のご申告について

ご到着時にお手荷物の破損に気づかれた場合は、必ず空港を離れる前に日本航空空港職員へご一報ください。

なお、モントリオール条約および国際運送約款に定められているとおり、お手荷物の引渡のときに異議を述べないでお手荷物をお受け取りいただいた場合は、そのお手荷物は、良好な状態で、かつ、運送契約に従って引き渡されたものと推定されます。

空港を離れた後のご申告について

空港を離れた後に手荷物の破損に気づかれた場合は、必ずお受け取りの日の翌日から起算して7日以内に到着空港へご申告ください。

くじら

この期限を過ぎるとどんな破損であっても補償を受けることができなくなります。旅行後で疲れていても、明日から仕事でも、この期限だけは必ず守ってください。

補償請求の前に確認|これは航空会社に請求できる破損ですか?

補償対象になるケース

航空会社によって補償対象の基準は変わりますが、フルサービスキャリア(LCC以外)の基準は以下の通りです。

鞄の部品の破損・タイヤが取れている
・ハンドルが破損して持ち上げられない
・引き出し式ハンドルが持ち上がらない
・鍵の破損
鞄本体の破損・本体が割れている(ハードケース)
・大きくへこんでいる(ハードケース)
・本体が歪んでいる(ハードケース)
・ジッパーが破れて閉まらない
・本体が破れている(ソフトケース)

基本的にはこのケースに該当するものが航空会社の補償の範囲です。
LCCはもっと厳しい基準になっていますし、フルサービスキャリアでも外国航空会社ではLCCと同じような基準の会社もあります。
フルサービスキャリアでも、ほかの航空会社に比べて極端に安い会社はこのあたりの補償も手薄になっている印象です。

くじら

担当した外国航空会社の中には、「鞄の本体でないものの破損は全て免責」とゆう会社もありました、、
つまりタイヤもハンドルも免責です、、、

補償対象にならないケース

では対象にならないケースですが、意外と多いです。
基本的に経年劣化とみなされるもの、過重量による鞄への負担も免責対象となります。

鞄の部品の破損・タイヤの摩耗
・ホイールカバーの紛失
・ジッパーのつまみ部分の破損、紛失
・付属品の紛失(ネームタグ、ベルト、キーホルダー等)
鞄本体の破損・本体の傷、汚れ(割れいない)
・軽微なへこみ(ハードケース)
・軽微な破れ(ソフトケース)
・傷による塗装のはがれ
・傷によるステッカーの破損(スーツケースに後付けで貼ったもの)
くじら

旅行者に人気のRIMOWAのスーツケース。ホイールキャップは紛失がとても多い(取れやすい)です。

補償対象?それとも対象外?現場ではこう判断していた

私が入社して教えられたことですが
「そもそも鞄は荷物を運ぶためのもの。中身が守られるか、荷物を運ぶ役割を全うすることができるか。その機能を果たせなくなるような破損が補償の対象です。」
なるほど。と思ったものの、気に入っている鞄が傷ついてしまったらとてもショックですよね。まずは相談してみるのも手ですし、たとえ航空会社の補償対象外となっても、この後紹介する保険会社請求では対象となる場合もあるので、その手続きについてもこの後解説していきます。

航空会社への請求手順

【STEP1】写真を撮る(撮るべき箇所・枚数)

帰宅後に破損に気が付いた場合は、どんな破損であったか航空会社にプレゼンするような気持ちで準備をするといいと思います。
写真は以下の2点を用意して航空会社へ送ります。

  1. 破損個所のアップの写真
  2. 破損個所を含む鞄全体の写真

破損個所の写真だけでは判断できない場合もあるので、必ず鞄全体の写真も撮ってください。

【STEP2】必要書類を準備する

問い合わせの際に必要になるのは以下の情報です。

  • 航空券番号(チケット番号)
  • 乗ってきた便名と日付(日付は現地出発日)
  • 破損した鞄のタグ番号(すでに捨ててしまった場合はなくてもOK)

【STEP3】航空会社へ連絡する

航空会社への連絡は会社によって、WEBフォームが設定されていることもあります。航空会社の手荷物センターの問い合わせ先が見つからない場合は、カスタマーセンターでもいいので、まずは7日以内にファーストアクションを必ずとってください。
JALとanaの国際線手荷物破損問い合わせページへのリンクはこちらです。

🔗 JAL公式|手荷物破損案内

🔗 ana公式|手荷物破損案内

くじら

コードシェア便でチケットを購入している場合は、コードシェア側ではなく、実際に搭乗した飛行機の運航会社への問い合わせが必要です。

旅行先のホテルで気づいた場合|空港に戻れなくても請求できます

海外で破損してしまうととても焦ってしまいますね。
この場合も、JAL、anaを利用の場合は上記の問い合わせフォームから問い合わせることができます。
破損は原則到着した空港で手続きを行う必要があります。自力で問い合わせができればいいですが、外国航空会社の現地空港に電話やメールで問い合わせをするのは中々ハードルが高いですよね。
そんな時は復路が7日以内であれば、帰りの空港で申し出をする手もあります。
その場合も破損の写真はすぐに撮り、今以上に破損が広がらないように気を付けておきたいですね。

海外ではどんな対応になるの?

滞在中に破損の修理を完了することはできないので、主に3つの選択肢となります。

case1|帰国後に修理をするための手配をする

現地のスタッフに破損確認をしてもらい、PIR(手荷物事故報告書)を作成したのち、その書類を帰国先の空港スタッフに渡して日本で修理の案内となります。

case2|修理費相当額を現金手交される

修理ができないため、修理代を手交されることがあります。古いスーツケースで買い替えを検討していた場合は、買い替えの足しにするのもいいかもしれません。
もし航空会社での修理を希望していれば、これを受け取ると補償対応は終了してしまうので、帰国後修理をしてほしい旨スタッフに伝え、case1へ進めてください。

case3|代替のスーツケースをもらう

損傷が激しく使用が難しいほど破損している場合は、航空会社が用意する新しいスーツケースを手交されることがあります。ただし、これは損傷が激しい場合に限るのと、種類はあまり選ぶことができません。ですが、航空会社が提携するメーカーのスーツケースなので、高級品ではありませんが鞄としての機能をしっかり備えたものが準備されています。

航空会社免責と判断された場合は旅行保険へ

航空会社から補償の対象外(免責)と判断をされても、旅行保険でカバーできる場合もあるので加入している保険会社へ確認してみましょう。
預けた荷物の破損が対象になるのは携行品保険です。携行品保険の特約が付帯されているかもしっかり確認しておきたいですね。

旅行保険に入っていた場合の手順

保険会社へ請求する際には航空会社が発行する「PIR(手荷物事故報告書)」もしくは「破損証明書」が必要となります。空港を離れた後に破損の問い合わせをして発行されるものは、「破損証明書」であることが多いので、どちらでも問題ありません。
また、クレジットカード付帯の保険はカード会社が窓口になる場合もあるので、まずはカード会社の保険窓口があるか確認してみましょう。

  1. PIR or 破損証明書を手元に準備
  2. 保険会社orクレジットカード会社の保険窓口へ連絡
くじら

保険の請求期限は、事故発生から30日以内としている会社が多いので、早めに動きましょう!

クレジットカード付帯型保険の注意点

クレジットカードに旅行保険が付帯しているから任意の保険に加入しない方も多いのではないかと思います。とても便利なサービスですが、注意点もあります。
保険が自動付帯なのか利用付帯なのかです。

自動付帯|
クレジットカードを利用していなくても、所有しているだけで保険適用される

利用付帯|
旅行の費用(ツアー代金や航空券代)をそのカードで支払いをすることで初めて保険が適用できる

この違いを知らずにクレジットカード付帯の旅行保険があるから大丈夫と安心している方も多いのではないでしょうか。
たまたまそのカードで支払っていればいいですが、今はクレジットカードを複数所有される方がほとんどなので、使えると思っていた保険が使えなかったらがっかりしてしまいますね。

くじら

年会費無料で旅行保険が付帯されているクレジットカードは、ほぼ利用付帯です。

次の旅行からの備え方

今回の経験を活かして、次の旅行では事前に備えておきましょう。大きく2つの選択肢があります。

①旅行保険に加入する

海外旅行保険に加入する際は、携行品損害の特約が含まれているかを必ず確認しましょう。航空会社が免責と判断した破損でも、旅行保険の携行品損害でカバーできるケースがあります。保険料は旅行期間や補償内容によって異なりますが、スーツケースの破損リスクを考えると、特約付きのプランを選んでおくと安心です。

②クレジットカード付帯保険を活用する

クレジットカードに付帯する旅行保険でも、携行品損害をカバーできる場合があります。ただし、補償内容はカードのランクによって大きく異なります。年会費無料カードの場合、携行品損害の補償が付いていても利用付帯なことがほとんどです。ゴールドカード以上になると自動付帯で携行品損害が補償対象に含まれることが多く、プラチナカードやブラックカードになるとさらに補償額が手厚くなる傾向があります。

くじら

旅行保険の選び方・おすすめカードの補償内容については別記事で詳しく解説予定です。どちらが自分に合っているか、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ|気づいたらすぐ動くことが一番大事

帰宅後にスーツケースの破損に気づいても、期限内であれば補償を受けられる可能性があります。大切なのはとにかく早く動くことです。

  • 破損に気づいたらまず写真を撮る
  • 申請期限(受け取り翌日から7日以内)を必ず守る
  • 航空会社に連絡して破損証明書を発行してもらう
  • 航空会社に免責と言われたら旅行保険へ
くじら

旅行後で疲れていても、この7日間だけは意識しておいてください。期限を過ぎると、どんな破損でも補償を受けることができなくなります。

空港を出た後でも諦めないでください。正しい手順で動けば、補償への道は開けています。

ABOUT ME
くじら
航空業界歴13年のくじらです。元日系国際線グランドスタッフとして、手荷物トラブル対応・航空券発券・航空関連事務まで、幅広く経験してきました。フライトの困りごと、現場目線でお答えします!